7th E-Life!

〜Back Room〜

~Back Room~

クラフトプラスの製造現場を支えるキャストたち

 

岐阜県本巣市のBEANS自社工場で作り上げられるクラフトプラスの製品群。積み重ねた技術に裏打ちされた、主張し過ぎない、緻密で繊細な造り手たちの美学がそこにはある。そんな多くのクラフトマンが繋ぎ、紡いだ製品づくりのバックヤード。普段ならまずスポットの当たらない裏方に徹する黒子達の自然な姿をご紹介します。

 

 

〈episode_01〉

物作りが大好きな縫製担当。

愛車は自作品が満載のJA 11ジムニー!

福田芽生(ふくた めい)さん

 

 取材時、入社して8ヶ月を過ぎたばかりだと教えてもらった。
小さな頃から物作りがとにかく好きだったという福田芽生さん(以下メイさん)だ。
 中高生の頃は、絵を描いたり、自分で服を作ったり、部屋に棚を作ったり。ホームセンターで木を買ってきては何かを作ってしまうような子だったという。だから進学の際は“服が作りたい”と服飾デザイン科のある高校に通っていたほどだ。それほど物作りが大好きな人なのだ。高校を卒業するとレディースや古着を扱うアパレルの店舗販売員として勤務。そんな彼女は、いざ免許をとった暁には「絶対にジムニーに乗る!」と堅く決めていたのだと言う。
 実は彼女の父上の愛車はトイファクトリー のハイエース。約10年近く愛用しているキャンピングカーで、もちろんメイさんもこの車両で幼少期から毎年キャンプや車中泊などを家族と一緒に楽しんできたという。
 そんなお父さんが何気なくトイファクトリー のホームページを見ていた時、ふとトイのグループ企業であるビーンズの存在を知り“ビーンズ=クルマづくりのできる会社”だと発見、“ココ、メイにいいんじゃないか?”とオススメされたのが入社するきっかけになったのだそうだ。

 

 そして2024年2月 BEANS入社。

 

実際に入社してみたBEANSは、さてどんな印象だったのだろう・・・。
「もっと機会が製品を作っている工場系なのかと思っていました。でもいざ入ってみたら“めっちゃハンドクラフトな会社”だった!ですね」。

 

 

すべてのスタッフが、あらゆる工程のすべての作業をこなせる。それを求められるのがクラフトプラスの製造現場。しかしミシンを使った縫製業務は限られた人間が行うスペシャルなセクション。そこを任されるメイさん、スタッフからの信頼も厚い彼女の一日をのぞいてみた

 

〜〜さて、ビーンズで働いて約8ヶ月が過ぎました〜〜

 

「仕事はめちゃくちゃ難しいです。商品数もたくさんあるし、いい意味で常に緊張感を持って仕事をしています。でも仕事は全部楽しい! 入社した時は、全部機械が作ると思っていましたから、じつは全部自分たちの手で作るんだ…というのが分かって。今はすごく楽しいです」。
 そんなメイさん、主に担当しているのはミシンによる縫製作業とか。内張りやドアパネルに使う生地などを縫製する根気のいる仕事だ。でもこれまで自分が使ってきたのは家庭用のミシン。本格的な工業用ミシンの取り扱いは初。経験者とはいえ最初はなかなか難しかったようだ。ただ、それも今では使いこなし見事に戦力として大事なセクションを担っている。じつは「とても心配性」だという彼女自身の性格もあって、慎重に慎重に、作業を進めているのだと思う。明るくマイペースに見える彼女だが、そんな職人らしさが垣間見えて丁寧な仕事ぶりなのも納得できた。

 

服飾デザイン科の学校で培った縫製技術を生かし縫製部門を担う。曲線のある複雑な形状や生地が異なるファブリックとレザーの重ね縫い作業など、ひときわ丁寧にミシンを走らせる

 

〜〜今後してみたい仕事は?〜〜

 

「経験できるなら、BEANSで出来ることはすべてチャレンジしてみたいです。古着屋のスタッフをしていた時にSNSを担当していて、絵を描いたり、物を考えたりするのも好きなので。お客さんに声を掛けてスナップを撮ったり、その日のお客さんのコーデを紹介したり…もしていたので。商品開発にも興味があります。もしできるなら自分と同年代の若い女子にハマりそうなブランドを立ち上げてみたいです!」。
 キラキラした眼で、前向きにポジティブに話す彼女。本当に何かを生み出すことが大好きなのだという。
 さて、ここで彼女が念願叶ってようやく手に入れた念願の愛車、JA 11ジムニーをご紹介しよう。なんと年式は彼女よりだいぶ先輩の1994年式。ジムニー専門店で購入したという。購入当時からボディカラーやシートカバー等が変わっていたそうだが、現在シートカバーはクラフトプラスの最新モデルが装着されている。 

 

相棒 JA11 オールドジムニー×21歳のメイさん。クルマ好きで木工好き、カスタム好き。そして生み出すクラフトプラス の製品。今後の展開も楽しみデス!

 

〜〜なぜ現行型のJB64ジムニーじゃなくてJA11を?〜〜

 

「JA11の古臭い、このボロボロな感じが好きなんです(笑)。64は街でよく見かけるし。人とかぶるのがイヤなので(笑)。もっと四角くて、ゴツいジムニーに乗りたいなと思って。17、18歳の頃にSNSで19歳くらいの女性が74シエラか64ジムニーに乗っているのを見て“私も絶対に乗る!”と決めました。ただし、ようやく買えた当初は、ひどい雨漏りがあったり、エンジンが掛からなくなったり…と、しばらくは修理ばっかりでしたけど(笑)。

 

シートの上には自ら編んだ花柄の座布団。ドア開閉用の木製ノブは自ら木の塊から彫刻刀(!)で地道に削り出した自作品。助手席の前には先輩が作ってくれたワンオフのドリンクホルダー。まさに自分色に染め上げたい人には絶好の職場環境ココにあり、だね

 

そうして生粋の物作りの血が騒ぎ出し、リヤカーテン、サンシェード、後部座席用のテーブル、ベッド、リヤゲート用のテーブル…などを続々と自作していく。ソロキャン に憧れていたこともあり、“キャンプする際にあったら便利だろうな”と思うパーツをどんどんと自作してはジムニーに取り付けていったという。なんでも母上方のお父さん(※おじいちゃん)が色々とDIYする人で、自分でベッドキットを作ってしまうような人なのだとか。きっと、そのDNAなのだろう。実際に、庭で大工さんが使うような自前のサンダーで好みのサイズの木材を切り出してくれていたそうだ。爺ちゃんも孫娘のためにと頑張ってくれただろうね!

 

〜〜ちなみに念願のソロキャン には行けました?〜〜

 

「まだソロキャンには行けてないんです。でも家の庭では車中泊をしてみました。カーテン付けて作ったベッドで寝たりしたのですが、ジムニーなので狭いし、なんか傾いていて腰も痛くなり…ついに朝5時に目覚めて部屋に戻りました(笑)」なんだとか。なんか筆者も若い時を思い出すなぁ〜、それってついやっちゃうよね!

 

〜〜さて、そんなメイさんの次なる目標は?〜〜

 

「今はまだ自分で考えて行動できていないので、早く自分で考えて動けるように、製造の仕事を完璧にできるようになりたいです。そして、いろんなイベントにも出させてもらいたい。ちなみにBEANSの人たちは、みんなめちゃめちゃ優しいです。シゴデキです(※仕事ができる、の意味とか)」。

 

 そんな彼女が、仕事以外に大切にしているオフはというと…
ライブに行ったり、絵(人物画)を描いていることが多いとか。ちなみに中でも誰の推しかと聞いてみると…
「スーパーエイト(村上くん推し!)、ミセスグリーンアップル、それと関西出身の4人組フランクボックス!」。お〜、スーパーエイトって旧関ジャニだっけ? しかも村上くんかぁなかなかマニアックなチョイス!フランクボックスは初めて聞いたけど(失礼!)確かに運転席から見えるところに写真が貼ってあった!こんなところはさすがイマドキ女子。鉄板むき出しのジムニーの使い方も上手いな!

 

愛車ジムニーのピラーには愛してやまないフラボ(※フランクボックス)の生写真や缶バッジ。助手席後ろの折り畳みテーブル、リヤゲートドアにも自作の木製テーブル。その上にはお母さんが作ってくれたお弁当がちょこんと。お昼の休憩には、この居心地の良い愛車の室内で母手作りのお弁当を食べて過ごすのがなによりの癒しタイム

 

 とにかくメイさんのジムニーは見ているこちらが楽しくてハッピーな気持ちにさせてくれるクルマ。きっと自らが愛情込めて作っているからなのだろう。物作りをする人らしく自分色がたくさん詰まっている。そしてとっても似合っている。
 BEANSの製造の現場ではキャリア8ヶ月のメイさん。でも作り手としてだけでなく使い手の気持ちにも寄り添い、物作りに励んでいるのがよく分かる。お得意のミシン以外にも電動ドリルを使ってのその他の作業にも積極的に関わっているのも好印象だ。
 ちなみにこちらのメイさんのジムニーは「フィールドスタイルEXPO 2024」(日時:11月16日/17日、場所:愛知 SKY EXPO)にて出展予定。ぜひ現地でご覧になり、メイさんにもぜひ話しかけてみて欲しい。こんな彼女が物作りをしているクラフトプラスなら、きっともっと新しい何かが生み出されてくるだろう。その日が来るのが楽しみだ。

 

メイさん自作のウッディーカスタムで大充実の JA11ジムニーの室内。リヤ窓用サンシェードにはお母さんが庭の葉っぱを集めて輪っかにしたお手製のリースも飾られる

 

 

 

 

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